2021年4月27日

設計:菅家太建築設計事務所(菅家太)

施工:木村建設(大工/木村祥悟)

製材:木下林業(木下真利)

構造・規模:木造平屋/延床面積:80㎡/用途:事務所/竣工予定:令和3年11月

 

 

2月に伐採したカラマツを製材しています。

十勝の主要な造林樹種はカラマツですが、一般的には心持ち材が使われています。

カラマツの心持ち材を中低温で乾燥すると、表面割れが無数に入り、また、捻じれも大きく、建材としての利用は難しいため、高温で乾燥して柱や梁をつくっています。しかし、心去り材であれば、高温で乾燥しなくても表面割れは発生せず、捻じれも抑制できるため、中温で乾燥させることができます。 そこで、このプロジェクトでは主に心去り材を使うことにしました。中温乾燥を選択する理由は、乾燥時の熱が高温であるほど木へのダメージが大きいのですが、それをできるだけ少なくするためです。

心去り材は小径木ではとれません。なので、このプロジェクトは、心去り材をとれる太さの木が生えている山を選定するところから始まっています。 そして、今、木を挽くところまで進んできました。一発勝負なので、見ている私は結構張りつめていましたが、実際に挽いている作業員の方たちは、淡々と作業を進めているように見えます。十勝では、シングルバンドソーでこうした製材のできる製材所はこの木下林業だけだそうです。

挽き終えた材は乾燥を担当する瀬上製材所へ持ち込まれ、乾燥機に入れられます。中温での乾燥期間は12日間ほど。(高温の場合は10日間程度)120角柱用の製材は138角に挽かれます。乾燥後の修正を見込んで割り出された寸法とのことです。乾燥にムラが無いよう、300mmピッチで桟を並べながら材を積み上げていきます。

どんな仕上がりになるか楽しみです。(菅家)